グラフェン/hBNモアレ超格子における拡張量子異常ホール状態

グラフェン/六方晶窒化ホウ素モアレ超格子における拡張量子異常ホール状態 学術的背景 近年、トポロジカルフラットバンド中の電子の振る舞いは、凝縮系物理学分野で広く注目を集めています。トポロジカルフラットバンド中の電子は、強相関効果の下で新しいトポロジカル状態を形成し、これらはゼロ磁場下で量子異常ホール効果(Quantum Anomalous Hall Effect, QAHE)を示します。特に、多層グラフェンと六方晶窒化ホウ素(hBN)が形成するモアレ超格子系は、これらのトポロジカル状態を研究するための理想的なプラットフォームを提供します。これまでの研究では、五層菱面体グラフェン(rhombohedral graphene, RG)とhBNのモアレ超格子が約400ミリケルビンの温度で分数量子異...

5.0°ねじれ二層WSe2における超伝導

背景紹介 近年、ねじれ二層および三層グラフェンにおける超伝導の発見が広く注目を集めています。これらのシステムの鍵となる特徴は、層間結合とモアレ超格子の相互作用にあり、低エネルギーの平坦バンドが出現し、これが強相関を示します。同様の平坦バンドは、他の二次元材料(例えば遷移金属ダイカルコゲナイド、TMDs)の格子不整合やねじれヘテロ構造におけるモアレパターンによっても誘導される可能性があります。モアレTMDsではさまざまな相関現象が観察されていますが、超伝導の確かな実験的証拠は依然として不足していました。本論文では、5.0°ねじれ二層WSe₂において超伝導が観察され、最高臨界温度が426 mKに達することが報告されています。この発見は、モアレ平坦バンド超伝導がグラフェン構造に限定されないことを示...