光架橋可能なヒト羊膜ヒドロゲルを用いた脊髄損傷回復の研究
光架橋ヒト羊膜ハイドロゲルを用いた脊髄損傷修復 学術的背景 脊髄損傷(Spinal Cord Injury, SCI)は、重篤な神経疾患であり、患者の運動機能喪失や生活の質の低下を引き起こすことが多い。近年、組織工学と再生医学が著しい進歩を遂げているが、脊髄損傷後の機能回復は依然として世界的な課題である。主な問題は、損傷部位での新しい軸索の再生が困難であり、瘢痕組織の形成が神経修復を阻害することにある。ヒト羊膜(Human Amniotic Membrane, HAM)は、神経成長の保護、瘢痕形成の抑制、および新生血管形成の促進といった利点を持つ生体材料であるが、その弱い物理的特性が脊髄損傷治療への応用を制限している。 この問題を解決するため、研究者らは化学修飾と光架橋技術を用いてヒト羊膜の...