CD4+ T細胞のエネルギー代謝を調節するためのミトコンドリアCLPPの化学的活性化による炎症性腸疾患の治療
学術的背景 炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease, IBD)は、クローン病(Crohn’s Disease, CD)と潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis, UC)を含む慢性で再発性の自己免疫疾患です。IBDの病因は完全には解明されていませんが、免疫系の異常反応がその発症に重要な役割を果たしていることが知られており、特にCD4+ T細胞の不均衡が関与しています。Th17細胞と制御性T細胞(Treg細胞)のバランスは、IBDの病態において特に重要です。Th17細胞は細胞外病原体に対する防御に重要な役割を果たしますが、その機能不全はIBD、多発性硬化症、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患の発症に関与しています。一方、Treg細胞はFoxp3を発現し、炎症...