GDF15拮抗作用により重度の心不全を制限し、心臓性悪液質を予防する

心不全(Heart Failure, HF)は複雑な疾患であり、その発症率は年々上昇し、予後も不良です。心臓悪液質(Cardiac Cachexia)は心不全患者に共通する合併症で、体重の著しい減少、筋肉の消耗、栄養不良を特徴とし、その発症は患者の罹患率と死亡率と独立して関連しています。心臓悪液質は心不全患者において一般的に見られますが、その病理メカニズムは未だ不明であり、特に栄養状態の悪化と心機能の悪化との関係については、深い研究が不足しています。 近年、研究者らは、細胞ストレスのマーカーである成長分化因子15(Growth Differentiation Factor 15, GDF15)が心不全患者において著しく上昇していることを発見しました。GDF15は食欲を抑制し、食物摂取を減少さ...