星形膠質細胞が分泌するニューロカンが抑制性シナプスの形成と機能を制御する

星形膠質細胞が分泌するニューロカンが抑制性シナプスの形成と機能を制御する

星形グリア細胞の分泌するNeurocanが抑制性シナプスの形成と機能を制御する 近年、脳内のニューロンとグリア細胞の相互作用がシナプス形成と機能維持に与える役割についての研究が神経科学のホットトピックとなっています。本論文はデューク大学医学センターのDolores Iralaらによって2024年5月に《Neuron》誌に発表され、グリア細胞がNeurocanのC末端断片を分泌することにより特定の種類の抑制性GABAergicシナプスの形成と機能を制御することを示しています。 背景 哺乳類の大脳皮質では、80%のニューロンがグルタミン酸作動性(興奮性)錐体ニューロンであり、20%がγ-アミノ酪酸作動性(抑制性)中間ニューロンです。中間ニューロンはその形態学、転写学、電気生理学的特性に基づいて、...