腎臓から脳への病理的α-シヌクレインの伝播がパーキンソン病に寄与する可能性
腎疾患とパーキンソン病の病理学的関連 学術的背景 パーキンソン病(Parkinson’s disease, PD)は、主に脳内のα-シヌクレイン(α-synuclein, α-syn)が異常に凝集し、ルイ小体(Lewy bodies, LBs)やルイ神経突起(Lewy neurites, LNs)を形成する神経変性疾患の一つです。近年、α-synの病理学的凝集が末梢器官から始まり、プリオン様のメカニズムで中枢神経系(CNS)に広がる可能性が指摘されています。慢性腎不全(chronic renal failure, CKD)患者におけるパーキンソン病の発症率が高いことは知られていますが、その具体的なメカニズムは未解明です。本研究は、腎臓がα-synの病理学的伝播において果たす役割を探り、腎疾患...