亜鉛-α2-糖タンパク質は、高血圧における腎臓脂質代謝リプログラミングを介した尿中Na+排泄を調節することにより血圧を調節する
研究背景 高血圧は、世界的に最も一般的で深刻な健康問題の一つであり、その高い有病率は心血管疾患や脳卒中のリスク増加と密接に関連しています。高血圧の病因は複雑で、腎臓、動脈、微小循環、心臓、中枢神経系など複数の臓器やシステムが関与していますが、近年の研究では、アディポカイン(adipokines)が血圧調節において重要な役割を果たすことが明らかになっています。亜鉛-α2-グリコプロテイン(Zinc-alpha2-glycoprotein, ZAG)は、多機能性の糖タンパク質であり、当初はアディポカインとして認識され、主に脂肪細胞から分泌されると考えられていました。しかし、ZAGは他の細胞(例えば上皮細胞)でも発現し、血清やその他の体液中に存在することが分かっています。ZAGは代謝異常に関与する...