新しいDNA架橋剤KL-50は、テモゾロミド後のミスマッチ修復欠損型膠芽腫の新規および再発患者由来モデルに対して活性を示す

KL-50による再発膠芽腫治療の画期的研究 背景紹介 膠芽腫(Glioblastoma, GBM)は高度に悪性の脳腫瘍であり、特にIDH野生型(IDHwt)患者では予後が極めて不良です。現在の標準治療法には手術切除、放射線療法、およびテモゾロミド(Temozolomide, TMZ)化学療法が含まれますが、ほとんどの患者は最終的に再発します。再発の重要なメカニズムの一つは、腫瘍細胞がDNAミスマッチ修復(Mismatch Repair, MMR)酵素遺伝子の変異を獲得し、TMZに対する耐性を発現することです。TMZの作用はMMR酵素の機能に依存しているため、MMR欠損の腫瘍細胞はTMZに対して感受性を失います。この臨床的課題に対処するため、新しい治療戦略の開発が急務となっています。 KL-5...

IDH変異神経膠腫の免疫原性および原発性ミスマッチ修復欠損IDH変異星状細胞腫(PMMRDIA)の治療的課題:系統的レビュー

IDH変異膠芽腫の免疫原性と治療の課題 背景紹介 膠芽腫は中枢神経系に発生する一般的な腫瘍であり、その治療と予後は分子特性によって大きく異なります。近年、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)変異が膠芽腫の診断と予後において重要な意義を持つことが明らかになってきました。IDH変異膠芽腫は一般的に予後が良好ですが、免疫原性が低く、免疫チェックポイント阻害剤(ICB)に対する反応が弱いことが知られています。特に、原発性ミスマッチ修復欠損IDH変異星細胞腫(PMMRDIA)の出現により、この治療課題はさらに深刻化しています。PMMRDIAは標準治療薬であるテモゾロミド(TMZ)に対して固有の耐性を示すだけでなく、ICBに対しても抵抗性を示します。そのため、IDH変異が膠芽腫の免疫原性にどのように影...