クリプトスポランギウム属の放線菌から単離されたベンゼン含有ポリケチド、Cryptoic Acids AおよびB、および修飾ジケトピペラジン、Cyclocryptamide

Cryptosporangium属放線菌から発見された新規ベンゼン環含有ポリケタイドおよび修飾ジケトピペラジン 学術的背景 微生物の天然産物は、薬剤開発において重要な価値を持っています。特に、放線菌(Actinomycetes)は、アミノグリコシド類、マクロライド類、テトラサイクリン類抗生物質など、多様な治療用化合物の豊富な供給源となっています。しかし、近年、既知化合物の頻繁な再分離が天然産物に基づく薬剤発見の主な障害となっています。この問題を解決するために、研究者たちは共培養、二次代謝シグナル分子の添加、培養中の高温処理など、さまざまな新しい方法を試みています。本論文の著者らは、未解明の放線菌属に注目し、新しい化合物骨格の発見を目指しました。 本研究の対象は、Cryptosporangiu...

落葉放線菌Actinoplanes sp. MM794L-181F6から分離された新規チアゾリルペプチド抗生物質Thiazoplanomicin

新型抗生物質Thiazoplanomicinの発見と研究 学術的背景 近年、抗生物質耐性問題が深刻化しており、特にNeisseria gonorrhoeae(淋菌)に対する耐性問題が顕著です。淋菌は一般的な性感染症の病原体であり、迅速に耐性を獲得し、ペニシリン、テトラサイクリン、シプロフロキサシンなどの従来の抗生物質が次第に無効となっています。現在、セフトリアキソン(Ceftriaxone)が淋菌治療の主要な薬剤ですが、耐性菌の出現により、新たな抗生物質の開発が急務となっています。世界保健機関(WHO)とグローバル抗生物質研究開発パートナーシップ(GARDP)は、新たな作用機序や骨格構造を持つ抗生物質の開発が耐性淋菌対策の鍵であると強調しています。 この背景のもと、日本のInstitute ...