化学免疫療法における腫瘍と末梢血の反応バイオマーカーの連携

背景紹介 本論文は、希少で非常に致命的な癌である悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma, MPM)を研究対象としています。この癌はアスベスト曝露と密接に関連しており、診断時には多くの患者が進行期にあり、平均生存期間はわずか12~15か月です。これまでの標準治療は白金製剤を基盤とした化学療法でした。しかし、免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitors, ICIs)や免疫化学療法併用療法の導入により、治療パラダイムは大きく変化しつつあります。こうした新たな治療法は一部の患者において顕著な臨床的効果を示していますが、個々の患者間で効果は非常に多様です。これまでのところ、治療方針を導く予測バイオマーカー(biomarker...

がん患者における免疫療法反応特性を持つ5つの免疫型を明らかにする包括的な末梢血免疫プロファイリング

がん患者の末梢血免疫特性分析に関する研究報告 がんは世界的に重大かつ広範に存在する健康問題です。近年、がん治療において顕著な進展があったにもかかわらず、依然として多くの課題が残っています。特に、患者が様々な治療にどのように反応するかを正確に予測することは依然難しい問題です。免疫療法、特に免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint blockade, ICB)は過去10年間で顕著な進展を遂げましたが、大多数の患者において反応率の予測は困難であり、しばしば重篤な免疫関連副作用が見られます。そのため、治療反応を監視し予測するために、患者の免疫系の状態を評価するための包括的な診断と一貫した分析モデルが急務です。 本文の由来 「comprehensive peripheral bl...