化学免疫療法における腫瘍と末梢血の反応バイオマーカーの連携
背景紹介 本論文は、希少で非常に致命的な癌である悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma, MPM)を研究対象としています。この癌はアスベスト曝露と密接に関連しており、診断時には多くの患者が進行期にあり、平均生存期間はわずか12~15か月です。これまでの標準治療は白金製剤を基盤とした化学療法でした。しかし、免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitors, ICIs)や免疫化学療法併用療法の導入により、治療パラダイムは大きく変化しつつあります。こうした新たな治療法は一部の患者において顕著な臨床的効果を示していますが、個々の患者間で効果は非常に多様です。これまでのところ、治療方針を導く予測バイオマーカー(biomarker...