TH17細胞固有のグルタチオン/ミトコンドリアIL-22軸が腸の炎症を防ぐ

TH17細胞内在のグルタチオン/ミトコンドリア-IL-22軸による腸炎症の保護メカニズム 背景紹介 腸内では多量の活性酸素(ROS)が産生されており、腸の恒常性維持におけるT細胞抗酸化メカニズムの役割は未だ不明である。本論文では、特異的にグルタミン酸システイン合成酵素(GCLC)を欠失させたT細胞がグルタチオン(GSH)合成に与える影響を研究し、TH17細胞が産生するIL-22が腸の保護においていかに重要であるかを探討した。恒常状態下では、GCLC欠乏は細胞因子の分泌を変えない。しかし、病原菌Citrobacter rodentiumに感染したマウスでは、ROSが増加しミトコンドリアの機能とTFAMが駆動するミトコンドリア遺伝子発現を破壊し、細胞ATPが減少、PI3K/AKT/mTOR経路を...

好中球由来のPAD4はCKMT1のシトルリン化を誘導し、炎症性腸疾患の粘膜炎症を悪化させる

近年、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease, IBD)の研究において、好中球が腸の炎症の発生と進行に重要な役割を果たしていることを示す証拠が増えています。IBDにはクローン病(Crohn’s Disease, CD)と潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis, UC)が含まれますが、その発症メカニズムはまだ完全には解明されていません。しかし、異常な免疫応答が病状に影響を与える主要な要因の一つであることは明らかです。 研究背景と目的 本研究の目的は、IBDの病理過程におけるペプチジルアルギニンデイミナーゼ4(Peptidyl Arginine Deiminase 4, PAD4)の具体的な役割とその潜在的な基質を探ることです。研究チームは、好中球が好中球...