モードロック導波路ポラリトンレーザー

波導偏極化激兆による青から紫外線の波長でのモードロッキングの研究報告

光電子学の分野において、レーザー技術の進歩は情報技術、生物医学、工業加工などの多岐にわたる領域の進展を大いに促進しています。特にモードロックレーザー技術は、その超短パルスと高い繰り返し率の特徴により、精密測量や高速通信などの分野で重要な応用価値を示しています。しかし、従来の量子井戸や材料の非線形効果に基づくモードロックレーザーは、パルス幅や作業温度に制限があることが多いです。そこで、研究者は新しい材料体系やデバイス構造を用いて、より高性能なレーザー源が得られる可能性を探求しています。

最近、フランスのモンペリエ大学(Laboratoire Charles Coulomb, L2C)、パリ大学 - サクレー校(Centre de Nanosciences et de Nanotechnologies, CNRS)、ソルボンヌ大学(Sorbonne Université)などの研究機関の研究チームが、《波導偏極化激兆による青から紫外線の波長でのモードロッキング》という重要な研究成果を発表しました。この論文は、青から紫外線の光スペクトル範囲で室温で動作する新型のGaN波導に基づくモードロックマイクロレーザーを包括的に記述しています。そのパルスの繰り返し率は300 GHzに達し、単一のパルスの長さはわずか100フェムト秒です。本研究は、偏極化激兆レーザー内の偏極エキシトン - 偏極子の相互作用による自己位相調整メカニズムについて詳細に紹介し、シミュレーション結果と組み合わせて、モードロッキング行動の確かな特性を実証しました。この論文は、H. Souissi、M. Gromovyi などが執筆し、Optica Publishing Groupの『Optica』誌第11巻第7号に掲載されました。

研究の背景と意義

偏極子(ポラリトン)は、半導体量子井戸内のエキシトン(電子-ホール対)とマイクロキャビティ内の光子との強い結合によって実現される準粒子です。それらは半粒子、半光子の性質を持ち、偏極激兆はエキシトンよりもはるかに低い有効質量と強力な非線形相互作用を持つため、低閾値、超短パルスモードロックマイクロレーザーを実現するのに理想的な選択とされています。

研究の内容と方法

研究チームは、60マイクロメートル長のGaNに基づく波導構造を使用し、その両端にブラッグ反射鏡(Bragg reflectors)を追加して複数のモードを持つ水平マイクロキャビティを形成しました。理論分析と実験を組み合わせた結果、偏極子間の相互作用によってモードの自己位相調整が可能になり、モード分散を補償してモードロックを実現することができることを研究チームは発見しました。実験結果は、この偏極化激兆が室温で100フェムト秒の短いパルスを発生させることができ、繰り返し周波数が300 GHzに達することを示しています。さらに、ゲインのスペクトル幅や飽和密度のパラメータを変更することにより、数値シミュレーションは実験中のモードロック行動をさらに確認しました。

研究結果

この研究は、偏極子に基づくモードロック激兆が青から紫外線の波長の範囲で動作した際、超高速のパルスと高い繰り返し頻度を持つ特性を有しており、特定の条件下で、モードロック行動とパルス形状がポンプ長さによらず一貫性があることを示しています。このパルス幅はモードロック激兆デバイスの実際のサイズに対応し、非線形光学デバイスの長さとエネルギースケールを小さくするとともに動作周波数を向上させるポテンシャルを偏極化激兆分野に示しました。

研究の結論

この研究は、大きなバンドギャップを持つ半導体内で偏極子の非線形効果を利用する可能性を証明し、将来の統合光電子工学分野での偏極激兆の応用への確固たる基盤を築きました。GaNに基づく活性層と標準的な電気的なスキームとの互換性は、統合紫外線レーザーの実現への実行可能な道を提供しました。

この研究は、理論的に偏極化激兆に基づく新型のモードロックレーザーを提案するだけでなく、実験を通じて室温動作を実現したことで、光電子学分野の今後の発展に新たな方向性を築きました。