DDX24は発達血管新生におけるVEGFおよびWntシグナリングを時空間的に調節する
研究背景 血管系の発生は高度に制御されたプロセスであり、血管新生(vasculogenesis)と血管形成(angiogenesis)という2つの重要な段階を含む。VEGF(血管内皮増殖因子)とWntシグナル経路がそれぞれ末梢神経系と中枢神経系(CNS)の血管発生を調節することが確認されているが、これらの経路の時空間的な協調的制御のメカニズムは未解明のままであった。これまでの研究で、DEAD-box RNAヘリカーゼファミリーの一員であるDDX24の機能欠損が多臓器血管奇形(MOVLD症候群)を引き起こすことが報告されていたが、その分子メカニズムは不明であった。本研究では、DDX24がVEGFとWntシグナル経路を差異的に調節することで、脳と体幹の血管発生を時空間特異的に制御する仕組みを解明...