霊長類およびヒト組織における高効率塩基編集
非人霊長類とヒトの網膜における高精度な塩基編集技術の応用 研究背景 スターガルト病は現在治療法がない遺伝性神経変性疾患で、主にABCA4遺伝子の機能喪失変異により黄斑変性や失明を引き起こします。ABCA4遺伝子がコードするタンパク質は、光受容体と網膜色素上皮細胞(RPE細胞)に局在する膜脂質フリッパーゼであり、視網膜内の有毒なレチノイドの蓄積を防ぐ役割を持ちます。スターガルト病で最も一般的な変異は、ABCA4遺伝子のc.5882G>A(p.Gly1961Glu)点変異で、この変異はタンパク質機能の喪失を引き起こし、疾患を誘発します。 これまでに、細胞株やマウスモデルでの塩基編集に関する研究はいくつかありますが、ヒトおよび非ヒト霊長類(NHPs)の神経組織において効率的な遺伝子編集を実現するこ...